14年ぶりに放送された「純情きらり」が一昨日、終わってしまった。出演した作品の再放送の終わりにこんなに寂しさを覚えるのははじめてかもしれない。
杏子。献身的で見返りを求めない優しさ、強さ、しなやかさを
持ち合わせた健気な人。素敵な女性を演じさせて頂いたと時間を経て改めて思う。
20代後半、お芝居をはじめて５年目ぐらいのこの作品は
気後れしながら必死に現場に立っていた記憶。
でもあおいちゃんとしのぶさんと過ごした時間は青春の延長のような楽しい記憶であり、ふたりの笑顔を思い出す時は今も役の衣装だ。
しのぶさんの着物の裾捌き、きりっとしてさすがだった。
意地悪な夫役のイケテツさんは本当はあったかい人で
緊張していた私の心の拠り所だった。
再婚相手役の高橋和也さんは役に打ち込んで近寄れないぐらいの
オーラを放っていたけれど、途中からは学生時代好きだった男闘呼組の話を聞かせてくれたり…楽しい思い出もいっぱい。
物語の結末は…あまりに辛く悲しくて。
月曜日のリハーサル時、嗚咽が止まらず台詞が全く言えなくなってしまうという経験をはじめてした。
リハーサルがあったから杏子として後日収録ができたと思う。
いのちの煌めき。
わが子とも会えずに逝ってしまう桜子を演じた
あおいちゃんは眩いばかりの光をはじまりから終わりまで放っていた。
大島ミチルさんの情感のこもった包み込むようなオープニング曲がとても好きだった。
役を生きる。
当時も今も、取り組みは変わらず模索の日々だけれど、
この作品の中で杏子を演じさせて頂けたことは私の宝です。
#純情きらり
